バーニーズマウンテンドッグを飼う前に知っておきたい性格や飼い方のポイント
2016-09-30
大きい身体で愛嬌たっぷりのバーニーズマウンテンドッグは大型犬種の中でも人気のある犬種です。圧倒的な存在感は大変素晴らしく、温厚でときに甘えん坊なところも魅力のひとつです。
そのため、自分もバーニーズマウンテンドッグを飼ってみたいという方も多いのではないでしょうか?しかし、非常に大きいバーニーズマウンテンドッグは自分に飼えるのか?世話やしつけができるか?成犬になったらどれくらいの大きさになるのか?など、気になることが沢山あると思います。
ここではバーニーズマウンテンドッグの性格やしつけのコツ、かかりやすい病気などを深く掘り下げて掲載していますので飼う前にぜび一度読んでみて、参考にしていただきたいです。
飼った後にこんなはずじゃなかった!と、なってしまわないためにも、ここで得られる情報をもとにバーニーズマウンテンドッグとの生活を具体的に思い描いてみてください。
バーニーズマウンテンドッグの歴史
バーニーズマウンテンドッグはスイスアルプス山脈の麓にある農村地帯において、様々な仕事をこなす土着犬として存在していました。
恐れ知らずの果敢な性格から番犬として、頑強な身体を使った荷引き犬として、時には俊敏性を活かして牛追い犬として、バランスよく仕事をこなすバーニーズマウンテンドッグはこの地域には欠かせない存在でした。なによりも愛情深いバーニーズマウンテンドッグは人々の生活に寄り添うパートナードッグとして愛され、現在に至ります。
この生い立ちからわかるように、バーニーズマウンテンドッグは心技体、全てにおいてとてもバランスの良い犬種です。
バーニーズマウンテンドッグの概要
オス 体高60-70cm 体重41-54kg
メス 体高58-66cm 体重32-45kg
超がつく大型犬であり、筋肉がたくましくバランスのとれた身体です。
バーニーズマウンテンドッグの価格
25-45万円
バーニーズマウンテンドッグの飼い方と注意点
原産地がアルプスの麓であるバーニーズマウンテンドッグは日本の高温多湿な夏には弱いです。可能であれば室内飼いが望ましいです。
また、バーニーズマウンテンドッグを含む高山地帯発祥の犬種(シーズーなど)は日本で飼育した場合は皮膚トラブルが多いです。これは湿度が大きく関係しているため、気温だけでなく湿度にも配慮してあげましょう。
活動的なバーニーズマウンテンドッグは運動も重要な飼育のポイントです。普段の散歩だけでなく、ドッグランなどを利用して運動欲求を満たしてあげましょう。
バーニーズマウンテンドッグの性格
バーニーズマウンテンドッグは家族には温厚で愛情深い性格です。しかし他者には注意深く警戒心が強いため幼少期の経験で社交性が左右されます。
また、陽気で活発な性格なため、人を楽しませることが大好きです。あまりにも人を楽しませる術を心得ていることに驚かされることもあります。
小さい頃はいたずらっ子な一面もあります。バーニーズマウンテンドッグにとっては小さないたずらのつもりでも、大きな身体ゆえに飼い主はびっくりしてしまうかもしれません。
愛情表現やいたずらも超大型犬なので小型犬種とは比べものにならない規模なのですが、それも含むてバーニーズマウンテンドッグらしい魅力であると、広い心で受け止めてあげられる人がバーニーズマウンテンドッグの飼育に向いています。
バーニーズマウンテンドッグのしつけ
バーニーズマウンテンドッグは超大型犬なのでしつけは小さい頃からしっかりと行うことを心掛けてください。
およそ一年で急成長していくため、早い段階でしつけを意識していかなくては後々とても苦労します。また、荷を引く作業に使役していたため引っ張るパワーは強力です。
バーニーズマウンテンドッグに限らず、荷引犬として使役していた生い立ちを持つ犬種は何かをは引っ張ることに非常に長けています。いかに牽引率を上げるかということを目的としていたたため、頑強で荷を引くことに適したバランスの身体なのです。
また、荷を引くためのコツを本能的に心得ています。したがって、散歩での引っ張りは早い段階でやめさせましょう。成犬になってからでは簡単に人一人を引き倒すことができます。
そのためバーニーズマウンテンドッグは犬のしつけに自信がある方に向いています。
あまりにもしつけに苦労する場合はドッグトレーナーなど、専門家にサポートしてもらいましょう。そうすることで日常の問題行動がなくなれば、より良いバーニーズマウンテンドッグとの生活を送ることができます。
バーニーズマウンテンドッグと遺伝子疾患
バーニーズマウンテンドッグの遺伝子疾患の統計
バーニーズマウンテンドッグは遺伝子疾患を抱える個体が極めて多い犬種です。
スイスのバーニーズマウンテンドッグ健康委員会の発表によると
○平均寿命が若すぎる
○ガンの発症率が極端に高い
○甲状腺機能の低下を患う個体が多くみられる
○股関節形成不全を発症する個体が多い
このほかにもいくつかの症例が発表されましたが、遺伝子疾患に関わる内容が多いことが目立ちます。
バーニーズマウンテンドッグの2頭に一頭はガンが死因とされており、なかでも多いのが組織球種(皮膚腫瘍)の悪性です。イボがあらわれて大きく成長するガンで他犬種にもみられます。しかしバーニーズの場合は遺伝的要因であることがわかっており、多くのバーニーズマウンテンドッグがこの病によって命を落としています。
股関節形成不全はその名の通り股関節の形成に異常があることを示します。骨頭と溝の形が悪く、うまく嵌まっていない、もしくは嵌まっている部分が浅い状態です。症状がひどい場合には歩行が困難となり、手術を要します。
この股関節形成不全においてバーニーズマウンテンドッグは全犬種中ワースト8位とされています。組織球種も股関節形成不全も遺伝による影響が大きい病です。
バーニーズを飼う場合は優良な繁殖者から譲り受ける
もしバーニーズマウンテンドッグを飼う場合は、これらの遺伝子疾患を発症した個体に関わるラインの犬を決して繁殖に用いらないブリーダーから飼うことを強く薦めます。
人気があるからといってむやみに繁殖を繰り返し、それを飼ってしまう人がいる限り、遺伝子疾患を抱えて苦しむ犬は増える一方なのです。
どの犬種にも共通して言えることですが、良識ある繁殖者はどんなに素晴らしい賞歴のある犬でも遺伝子疾患を発症した場合は決して繁殖に用いることはありません。発症する前にその犬を繁殖に用いた場合には、その子供である代まで繁殖ラインから除外します。これは犬種の向上と健全な未来を考えてのことなのです。
バーニーズマウンテンドッグに限らず、純血種の犬を飼う場合は必ず良識ある繁殖者から迎え入れましょう。そうすることであなた自身も遺伝子疾患による負のスパイラルに一石を投じることになるのです。
バーニーズマウンテンドッグについてのまとめ
○バーニーズマウンテンドッグは様々な仕事に使役していたためパワーと俊敏性と愛情深い心の持ち主です
○オス 体高60-70cm 体重 41-54kg、メス 体高58-66cm 体重 32-45kg
○引っ張る力が強いのでしつけに自身のある人に向いています
○遺伝子疾患による死亡率が極めて高いので、しっかりとしたブリーダーから飼いましょう
このようにバーニーズマウンテンドッグは身体が大きいため、飼育には時間と費用と手間がかかります。
しかしそれも含めてバーニーズマウンテンドッグを愛し、彼らとの生活を楽しむことが出来る人にとっては、大きな身体の陽気で甘えん坊なバーニーズマウンテンドッグは最高の伴侶となります。