自転車で犬の散歩は法律違反?
2016-02-18
自転車に乗った飼い主が犬と並走して散歩を楽しんでいる姿、見かけたことありませんか?「自転車で犬の散歩に行けたら楽チンだろうなぁ」と憧れている飼い主さんも多いのではないでしょうか。
実は、私もひそかに憧れていました。というのも、わが家の犬は走るのが大好きで私も一生懸命ダッシュでついていくのですが、とてもとても追いつけるスピートではないんです。
自転車で並走すれば犬は思いっきり走れて楽しいし、歩いて行くには遠い公園でも自転車なら気軽に遊びにいけるし、私も楽できる!と思っていました。
でも、ちょっと待ってください。この「自転車での犬の散歩」、実は法律違反だって知っていましたか?その上、とても危険な行為なんです。
道路交通法の規定
「道路交通法」には、自転車に乗る人はハンドルやブレーキなどを確実に操作して、自分にも他人にも危険を及ぼさないよう安全な速度と方法で運転しなければならないと定められています。
犬のリードをひいたまま自転車に乗ることを考えてみると、リードがタイヤに絡まったり犬が急にひっぱったりするなどの不意の出来事によって自転車のコントロールを失い、自分にも他人にも危険を及ぼす可能性が高いといえます。犬を自転車で散歩させることは、道路交通法に違反する危険な運転といえるでしょう。
違反したらどうなるの?
では法に反して自転車で犬の散歩をした場合、どうなるのでしょうか?
まず道路交通法によって、3か月以下の懲役または5万円以下の罰金が科せられることがあります。自転車ごときで・・・と思うかもしれませんが、2015年6月の法改正により自転車の取り締まりが強化されており、警察官の見回りも頻繁に行われるようになっています。
1回目は注意で済ましてくれる場合が多いと思いますが、繰り返すと摘発や罰則の対象となります。
また、危険な運転によって歩行者にケガをさせた場合などには、刑事罰を受ける可能性もあります。自転車と歩行者の接触事故による死亡例もあり、償いきれないほどの大きな責任を負う場合もあります。民法に基づく損害賠償責任も負うことになるでしょう。
法的な責任以外にも、転倒したときに犬を下敷きにしてしまうなど、大切な愛犬にケガをさせてしまう危険もありますし、飼い主自身も大ケガを負うかもしれません。
このように、自転車での犬の散歩は非常に危険な行為です。大きな責任もともないます。犬を楽しませるためと思って安易にしてしまいがちですが、ルールを守って、安全な散歩を楽しみましょう。
執筆:flower
ペットに関するトラブル予防法務やペットのための信託などを専門に活動。保護施設から譲ってもらった5才になる雑種犬を飼っています。