愛犬がよだれを垂らしていたら要注意?
2016-02-21
あなたの愛犬の口からよだれが垂れてることってありませんか?
よだれを垂らすことは、犬・猫にみられる一般的な状態です。
たとえば、空腹時の犬の前に食事を置いて「まて」をさせると、そのうちよだれを垂らしますが、これは生理的で健康な反応です。
また、セント・バーナードやグレート・ピレニーズなど普段からよだれの多い犬種もいます。
「じゃあ、私の愛犬は正常ね。よかった。」と思ったそこのあなたに質問です。
よだれを垂らすことに関して危険性を持たなくてもいいのでしょうか?
さっきの説明だけだと普通のことと思ってしまいがちな愛犬の行動ですが、実はそれが病気のサインの可能性もあるのです。
どのような病気が考えられるの?
よだれを垂らす事を流涎(りゅうぜん)といい、「流涎症」と呼ばれる病的によだれを垂らす症状があります。
異常なよだれは、唾液の量が多く、口の外に流れる場合と、唾液の分泌が正常範囲内にもかかわらず、口の外に流れ出てしまう場合(儀性流涎症)があります。唾液は耳下腺・下顎腺・舌下腺・頬骨腺の4種類の腺から分泌されます。
これらの分泌は食べ物のにおいなどで活発になり、口腔粘膜の機械的刺激によっても誘発されます。
口内炎・舌炎・腫瘍・外傷・口腔内異物・舌に絡んだ糸状異物・扁桃炎などにかかっていると、よだれの原因になることがあります。
儀性流涎症を起こす原因には、食道梗塞・咽頭麻痺など、食物が飲み込めず(嚥下障害)、唾液が食道にながれていかないなどがあります。
また、口唇に形態的な異常があり、唾液が漏れることがあります。
感染症でよだれを流すことも?
狂犬病や神経性ジステンパーなどの感染症の病気では、麻痺性の嚥下障害が起こります。飲み込めない唾液が口の外に流れ出てよだれとなります。
有機リン剤中毒では、神経刺激伝達物質(アセチルコリン)の分泌が妨げられることで唾液分泌が盛んになり、結果としてよだれが起こります。
口の中の異物でよだれを出す場合は、、
口の周囲を前脚で掻いたりしている時は口の中の異物が考えられます。
涎に血が混じっている場合には、口の中に外傷があったり、重度な口内炎があったりするかもしれません。
よだれが酷く、けいれんを伴っているときは、有機リン剤中毒が疑われます。
乗り物酔いの唾液は一時的なものです。
また、自動車に乗りなれていない場合、車酔いをおこし、よだれを垂らす場合もあります。 これは一時的なもので、自動車から降ろしてしばらくすれば治まります。
ただの「よだれ」かもしれませんが、あなたが思っている以上に怖い病気になる可能性はありませんでしたか?
どのように対処すればいいの?
歯石は口内炎の原因になりますので、歯磨きなどの予防策を行ったり、歯石を取り除いたりする必要があります。
ゴルフボールは内部のゴム糸が出てきて舌に絡むことがあるのでおもちゃとして与えるのは危険です。
餌のついた釣り糸、釣り針も言うまでも無くトラブルの原因となりますので、このような危険とおもうものは動物が触れないよう管理しましょう。
また、痙攣などの症状を伴う場合、早急に獣医師の診断を受けて下さい。
異常のあるよだれの垂れ方の場合は、一目で異常とわかるくらい大量に流れ出ます。中には病気の可能性もありますので、愛犬のよだれの垂れ方をちょっとだけ気に留めながらご飯をあげたり遊んだりしてあげてくださいね。
執筆:Zoin
動物看護師・愛玩動物飼養管理士1級・ホリスティックケアの資格を保有。現在、柴犬二匹との生活を楽しみながら、ライターとして活動中