愛犬にノミが!そんな時どうする?
2016-02-21
あなたは、愛犬に引っ付く、ノミやダニにお困りではありませんか?
愛犬に付くノミとは?
ノミは、昆虫類の隠翅目(ノミ目ともいう)に属しますが、住環境にあわせて翅をなくす方向で独特のフォルムを形成するように進化を遂げた昆虫です。
犬によく寄生するノミの多くはヒトノミ科に属し、その中でも、犬の76%・猫の97%がネコノミという種類です。
ノミは、吸血の際に生理活性物質を含む唾液を宿主(犬)に注入するため、痒みとともにアレルギー症状が引き起こされます。
愛犬に付くダニとは?
ダニは、分類が非常に難しく、複雑であり容易に種類が判別できません。
ダニには、ヒゼンダニ・ツメダニ・ニキビダニ・マダニなど確認されているだけで約4万種類、未確認を含めると50万種類以上が存在すると推定されています。
ヒゼンダニは、犬の皮脂角質層に掘り進んだ疥癬トンネル内に生息しており、そこで様々な分泌物を排泄することにより強い痒みを引き起こします。
痒みは強いストレスとなり、放置すれば重症化し死にいたるケースもあります。
ツメダニは、生後3~15週の幼犬に多く、小型の長毛犬に多発るす傾向にあります。
触肢に備わるツメを用いて体を皮膚に固定して、皮膚の湿疹や大量のフケを生ずる皮膚炎をおこすこともあります。
ニキビダニは永久寄生虫のなかでは微小のダニで、かつてはアカルスとも呼ばれていました。
このダニは、毛包や皮脂腺に共生状態で寄生していますが、発症するのはむしろ少数派です。
マダニは、唯一の栄養源は血液であり、感染をうけた犬は吸血被害をこうむります。吸血と同時に様々な種類の病原体の伝播がおこり、そのなかにいくつか人獣共通感染症が含まれます。
愛犬に寄生しているノミに、どう対処したらいいの?
ノミの駆除には、まず寄生しているノミを全て駆除しなければなりません。このためには即効性の高いノミ駆虫薬を使用します。
現在では、ピレスロイド系のフィプロニル、クロロニコチニル系のイミダクロプリドなどが滴下式の液剤として多用されます。
ノミの寄生により発症した皮膚炎は、ノミが駆除されれば自然に治癒します。 また、ノミ取り櫛で毛をすき動物体表上のノミ成虫を除去することもできます。
ダニには、どう対処したらいいの?
ヒゼンダニは、イベルメクチン等の薬剤を投与することにより駆除できます。
ツメダニには、ピレスロイド系やカルバーメート系、有機リン系の各種の殺ダニ薬やイベルメクチンが使用されます。
ニキビダニは駆除が難しく、症状が軽減しても完全にダニが駆除できているとは限りません。ピレスロイド系やカルバーメート系、有機リン系の各種の殺ダニ薬やイベルメクチンが使用されます。
マダニは、寄生を受けているだけの場合はピンセットで駆除することができますが、容易に駆除を行うと顎体部が犬の皮膚に残ってしまうことがありますので注意が必要です。フィプロニルという薬剤が今のところ駆除にもっとも有効です。
いかがだったでしょうか?
ノミ・ダニがあなたの愛犬にもいる可能性は必ずあります。室内飼いでも人間がダニを連れて帰ってしまうこともあるからです。あなたの愛犬がかゆがっているようならまずは獣医師に相談してみましょう。
執筆:Zoin
動物看護師・愛玩動物飼養管理士1級・ホリスティックケアの資格を保有。現在、柴犬二匹との生活を楽しみながら、ライターとして活動中