【訓練士】愛犬のマウンティングをやめさせるには?
2016-09-17
記事監修:ドッグスクール山口・トレーナー:山口哲也さん
ドッグスクール山口のHPはこちら
経歴:ドッグスクールピッピにて修行⇒6年半の修行ののち独立。つくば市にて開業。2014年、FCI-IPO世界大会日本代表出場、災害救助犬や警察犬の使役犬を多数育成中
あなたは愛犬のマウンティング行動をみたことがありますか?
犬を飼ったことのある人なら、一度くらいは見たりされたりした経験があるのではないでしょうか。交尾をするときの繁殖行動もマウンティングですが、それ以外の理由もあり、雄犬に多く見られる行動ですが、実は雌犬もマウンティングをします。その姿は馬乗りになり、繁殖行動と似ているため、見たりされたりすると恥ずかしい気持ちになりますが、マウンティングをやめさせるにはどうしたらいいのでしょうか?
マウンティングとは?
馬乗りになって腰を振る行動です。相手は犬だけでなく、人のからだ(腕や足)、ぬいぐるみなどのおもちゃも対象となります。犬の本能的な行動のひとつです。
マウンティングをする理由は?
繁殖行動
交尾のためのマウンティングです。去勢をしていない雄犬が発情期にある雌犬にする行動です。
妊娠を望んでいるのなら放っておいて構いません。望んでいないのであれば雄犬を発情期の雌犬に近づかせてはいけません。
また、雌犬は発情期には多くの犬が集まる場所や外出を控えましょう。興奮した雄犬のマウンティングを止めるのは難しいので、その状況をつくらないことが大切です。
上下関係の誇示
犬社会は祖先のオオカミ時代からきびしい縦社会です。上下関係を確認するためにマウンティング行動をします。
この場合、雄犬だろうが雌犬だろうが関係ありません。マウンティングをしている方の犬が「自分のほうが強いんだぞ」と下になった犬に誇示します。犬同士であれば本能行動なので問題はありません。しかし、人に対しても同じように上下関係の確認をする場合があり、それは問題行動になります。
遊びでの興奮
犬同士や飼い主といっしょに、またはおもちゃで遊んでいるときなど興奮状態になるとマウンティング行動をするときがあります。
遊びからの興奮でマウンティングする場合は上下関係の誇示は関係ないともいわれています。本来、犬同士であれば本能行動であり問題ないのですが、相手が人の場合はやはり問題行動に発展することが考えられるので、止めさせましょう。
相手が何であれ、それが上下関係の誇示なのか、それとも遊びとしてなのか判断がむずかしいです。犬同士であれば本能行動なので問題はないのですが、散歩中やドッグランなどでしつこく相手を追い回したり、何度もマウンティングをするのはマナー違反です。相手の飼い主にも不快な思いをさせてしまいます。
相手が人の場合、マウンティングを許してしまうと犬の中で格付けされる可能性があります。人よりも上位だと認識してしまっては様々な問題行動につながっていきます。とくに小さな子どもに対してのマウンティングには注意が必要です。
マウンティングをやめさせるには?
マウンティングをやめさせるには、これらの方法をしてください。
・マウンティングをされても大きな声を出したり、騒いだりしない
・さっとからだを離し、「ダメ」「イケナイ」と低い声で静かに言う
・落ち着かせるために「オスワリ」「フセ」などの指示をする
・指示に従えたらしっかり褒める
マウンティングで悩んでいる飼い主が多いのですが、それを許してしまっている飼い主も多くいます。
マウンティングだけでなく、ほかにも問題行動があるのならば、まずは基本的なしつけ(アイコンタクト、オスワリ、フセ、マテなど)を徹底することをおすすめします。はっきりした主従関係を築くことで、さまざまな問題行動が改善されます。
本能的な行動をすべて除外することはできませんが、あなたの指示にすぐに反応できるようにすれば止めることができるはずですよ。