犬に牛乳を飲ませても大丈夫?牛乳が犬に与える影響とは?
牛乳を犬にも飲ませても大丈夫かな?とワンちゃんを飼っている飼い主さんでしたら一度は考えたことはあるのではないでしょうか。
ワンちゃんに与えてはいけないという情報もあり実際はどうなの?という飼い主さんのために牛乳がワンちゃんに与える影響を調べてみました。是非参考にしてみてください。
これで、牛乳がダメなのかいいのか、誤った情報に左右することなく愛犬との生活を送ることができますよ。
牛乳の成分や効果
まず、牛乳の成分について知りましょう。牛乳はアミノ酸を豊富に含んだ良質なタンパク質、炭水化物、脂質、ミネラル、ビタミンといった生きていくために必要な栄養素が含まれています。
さらに、近年では、免疫関係、他の内分泌系や循環器系に作用することがわかってきたようです。免疫力を高め、病原体の感染を防ぐ効果や血圧を改善するなど様々な効果があるといわれています。
さらに、牛乳には「乳糖」が含まれています。乳糖はエネルギーとしての役割の他に腸内環境を改善したり、カルシウムの吸収を助ける効果があります。乳糖は乳糖分解酵素(ラクターゼ)により分解されます。その後、血液中に取り込まれ全身へと運ばれていきます。
牛乳はカルシウムが豊富と漠然に思っている方が多いと思いますが、実はその他の効果もたくさんあるんです。そんな栄養素の高い牛乳であれば、愛犬にもぜひ与えたいと思う飼い主さんもいると思いますが、実際ワンちゃんに対してはどうなのでしょうか。
犬に牛乳を飲ませて大丈夫?
実際のところ「絶対ダメ」ではないようです。ただし、「飲ませて大丈夫です」と言い切れないのも事実です。ワンちゃんに与えてはいけない理由からご紹介していきましょう。
危険な理由
なぜ与えてはいけないのかというと、犬は牛乳に含まれている「乳糖」を分解するための酵素「ラクターゼ」を多くもっていないからです。
乳糖を分解する酵素を持っていないと、乳糖を分解できず下痢を起こしやすくなります。人間でも乳糖を持っていないために下痢を引き起こす人がいるのと同じです。
乳糖は加熱処理や低温殺菌処理を行っても分解されません。そのため、温めて与えても、少量であってもラクターゼを持っていない犬は下痢をします。
なぜ下痢をしてはダメなのか?
体質的に便秘気味な犬や下痢をするといってもすぐに治まるのではと思う方もいらっしゃるかもしれません。
下痢が危険な理由は脱水症状を引き起こす可能性があるからです。柔らかい便で1日程度で治まる下痢でしたら一過性の下痢ですが、下痢と共に嘔吐の症状が出た場合や2日続けて下痢をしている場合、水のようなひどい下痢をしている場合はすぐに動物病院を受診した方がいいでしょう。
牛乳を飲ませる場合
乳糖に過剰に反応する犬、逆に全く反応しない犬など、個体差があります。下痢をする可能性はあるものの牛乳にはカルシウムや栄養素が豊富に含まれていますので、愛犬が牛乳を飲んでも大丈夫であれば飲ませたいですよね。
牛乳を飲ませる場合、愛犬が乳糖を分解する「ラクターゼ」を持っているかを調べましょう。調べるといっても方法は簡単です。
まず、牛乳をほんの少し与えてみましょう。そしてその後の愛犬の様子を観察してください。大丈夫だからといってすぐに観察をやめずに便の状態や食欲・元気があるかなどを確認しましょう。
特に異常がなければ、前回より牛乳の量を増やし試してみましょう。少量の段階で下痢をしてしまうのであればそのワンちゃんには牛乳は合わないのでしょうから与えるのをやめましょう。
与えても大丈夫な場合でもたくさんの量を与えると下痢を起こす可能性がありますので、一度にたくさん与えるのは控えましょう。
牛乳以外の乳製品は?
牛乳がどうしてもだめだけれども与えたい場合、牛乳の代わりにヨーグルトを試してみましょう。ヨーグルトは牛乳に比べて乳糖が20~30%分解されているので、下痢を引き起こしにくいです。他にも、カッテージチーズも乳糖が少ないので、試してみてはいかがでしょうか。
他にもホームセンターなどで見かける「犬用ミルク」や「山羊ミルク」などもお勧めです。犬用ミルクは乳糖を取り除いてあり、粉ミルクタイプはフードなどに少量振りかけて簡単に与えることもできます。賞味期限なども通常の牛乳よりは長くなっていますので、腐る心配もなくなるでしょう。
牛乳が犬に与える影響とは?
良い効果
牛乳が犬に与える良い影響として、質の良い栄養素を効率よく摂取できるという点です。牛乳には犬にとって大事なカルシウムが豊富に含まれています。
他にもビタミン(ビタミンA,ビタミンB2、ビタミンB12)、ミネラル、アミノ酸を豊富に含んだ良質なたんぱく質、炭水化物、脂質などがバランスよく含まれています。
問題点
牛乳を摂取することの1番の問題点はやはり乳糖不耐性による「下痢」の症状が出る可能性が高いからでしょう。
他の問題点として牛乳により「アレルギー」が出ることです。牛乳もしくはほかの乳製品を与えた際に、身体を痒がったり、元気がなくなったり、下痢・嘔吐、くしゃみ・鼻水などの症状が出た場合は乳製品に対するアレルギーの可能性が高いので、今後乳製品を与えないようにしてください。
他にも「肥満」に繋がる可能性もあります。牛乳には200ml当たり138kcalが含まれています。100ml与えるだけでも69kcalです。
健康な5歳の犬で1日に必要なカロリーはおよそ420kcal、1日2回のご飯を与えている場合は1回の必要カロリーは210kcalです。
適量与える分には問題ないかと思いますが、牛乳を与える場合はいつもより少しフード量を減らし与えましょう。
犬に牛乳を与える事についてのまとめ
ここでは、牛乳の成分や愛犬に与えても大丈夫なのか、犬に与える影響などをご紹介しました。
牛乳は栄養素が豊富に含まれており、犬にとって大事な栄養も含まれていることがわかりました。愛犬の栄養を考え、できれば与えたいという飼い主さんも多くいると思います。
牛乳は栄養豊富ですが、与えることによりリスクもあります。しかし、ワンちゃんによってはそのリスクを少し軽減させる方法もあることがわかりました。
もうすでに飲み続けているワンちゃん、飲ませてみたいと考えている飼い主さん、様々な方がいると思いますが、やはりワンちゃんの体調を観察し続けてあげるのが大事だと思います。愛犬とよりよい生活・健康のため、ワンちゃんの体調を観察しながら、一度試してみてもいいのかもしれません。