FCI・IPO世界大会の日本代表とは?
2016-08-23 [記事URL]
FCI・IPO世界大会の日本代表とは?
山口さんはFCI・IPO世界大会で日本代表という素晴らしい実績をお持ちですが、FCI・IPOを知らない人に向けてご説明をお願いします。
2014年、FCI-IPO世界大会日本代表出場
FCI・IPOというのは2つの言葉に分かれております。
FCIというのはジャパン・ケネル・クラブも加盟している組織の頂点、世界畜犬連盟という組織です。
その組織が世界共通の競技会を開くため統一したルールの科目を作ろうと始まったものです。
その中でIPOという科目が作られました。IPOというのはシェパード、マリノアなどのワーキングドッグ(仕事をする犬)を指すのですが、警察犬や軍用犬として足跡を追う、オビディエンス(人の言うことを聞く、呼んだら来るとか、マテ、スワレ、障害を跳ぶ等)、プロテクション(犯人役が袖に着けた防具を噛む、ヤメの命令があれば離す)、この3つの科目の合計点で競います。
「スワレ」もだらだらと座るのではなくパッと意欲的に座り、なおかつ素早いほうが点数が高く見栄えが良い、といったものを競い合う競技会です。
実地の訓練というよりは演技というものなのでしょうか。
そうですね。パフォーマンスのほうが強いですね。
警察犬は実地寄りなので、見栄えよりも結果を求めるため、きれいな作業は二の次三の次になります。
競技会はパフォーマンスなので、例えば足跡を追うのでも、警察犬の場合はふらふらと遺留品やおばあちゃんなど、対象を見つければよいのですが、IPOですといかにきれいに追えるか、引跡者が一時間前に歩いた場所を一歩も外れずに、風が吹いていようが雨が降っていようが、どんな状況下でもぴったりと追うこと、意欲的でなおかつ集中力が途切れずに一歩も外れずに歩けるかをパフォーマンスとして見せることができるのがこの競技会ですね
山口さんはその競技での日本を代表するIPOの訓練士なのですね?
そうですね。がんばってやっています。
現在、犬のしつけやドッグスクールをやられていますが、これらのサービスを飼い主さんに提供するにあたり、どのようなことを心掛けていますか?
私のモットーの一つとして、「好きこそものの上手なれ」と思っています。犬にも飼い主さんにも楽しめるしつけの方法を覚えていただこうと、より深いところを覚えていただこうというのを常に心がけています。
災害救助犬・警察犬などの育成
ドッグスクールや犬のしつけ以外にも、例えば競技会とか使役犬といわれる警察犬・災害救助犬の育成にも力を入れているようですが、どうしてこのようなことをやられているのですか?
警察犬・災害救助犬などの育成にも力を入れる
2つ共通している面もあり、ちょっと離れている部分もあるのですが、使役犬という部分では社会奉仕を一番に考えています。私にしかできない形で社会に還していきたいという気持ちで犬を通してやっています。それが災害救助犬の育成であり、警察犬の育成、またそれを使った社会奉仕ですね。
競技会のほうについても、こちらは育成にすごく時間がかかり、とても神経も使うものです。大変なのですが、そこで得た技術や経験というのはすごく大きなもので、それを家庭犬など一般のしつけやしつけ教室へフィードバックできるように、高度なものから一般的なものへ幅広くフィードバックするためと思っております。
どちらも飼い主さんやいろんな方が頑張っている私を見て応援してくださっているのがよくわかるので、それに応えたいという気持ちをもってやっています。
事業の目標について、今飼い主さんに向けてしつけ等を教えていると思いますが、どのような経営をしていきたいと思っていますか?
一番はこのドッグスクールをたくさんの人に楽しんでいただける場所にしていきたいと思っています。その中でつくば市の要(かなめ)という地名になぞらえて、積極的に楽しみ、学べる場所で、そんな中心的な役割を担える場所にしたいという目標を持ってやっています。
その中で犬との共存・共栄を支えられて、犬と人とも笑顔で楽しめる場所にしていく中心的な場所にしていきたいと思っています。
ちなみに今は毎日犬と接していると思うのですが、お休みはあるんですか?
生き物が相手ですし、お預かりしているワンちゃんもいますので、休憩は取れますが丸一日のお休みはほとんど無いです。
ただ、競技会ですとライバルが世界中にいるので、1年で365回しか練習ができないことを考えると一日でも休みたくないという気持ちもあります。
いわゆるアスリートのようなものでしょうか。
そうですね。アスリートほどシビアに自分を追い詰めてはいないと思いますが、気持ちは似ているところがありますね。
これから犬を飼う人に…
これから犬を飼う人、今すでに犬を飼っている人、しつけや訓練で悩んでいる人がたくさんいると思いますが、そういった人たちに伝えたいことはありますか?
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