飼い犬が人を噛んだ!飼い主の責任と対処法とは?

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飼い犬が人を噛んだ!飼い主の責任と対処法とは?

2016-02-16

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飼い犬による咬傷事件

飼い犬が人を噛んだというニュースをときどき耳にしませんか?犬を飼う人が増えるのにともない、こうした事件も増加傾向にあります。犬は元々噛む生き物ですし、ただの甘噛みや歯が当たっただけという場合もあるでしょう。

しかし他人にケガをさせた以上、この理屈は通用しません。事件の内容やケガの程度によっては、多額の損害賠償を求められる場合もあります。また、ご近所さんも「人にケガをさせた犬が近くいるなんて!」と怖がって、ご近所トラブルになることもあります。

「うちの犬はおとなしいから大丈夫」と思ったあなた。優しい犬でも、知らない人に驚いて思わず攻撃することもあります。また、飼い主に忠実な犬ほど、飼い主を守ろうと牙をむきます。飼い犬による咬傷事件は、飼い主全員が起こしてしまう可能性があるのですから、万が一に備えて、飼い主の責任と対処法を覚えておきましょう。

飼い主の責任

「動物の愛護及び管理に関する法律」では、飼い主は「動物が人の生命、身体若しくは財産に害を加え・・・(中略)・・・ないように努めなければならない」と規定しています。都道府県等の条例でも同様に、飼い主に「動物を適正に飼養すること」を求めています。

また、民法は原則「飼い主は飼い犬が他人に加えた損害を賠償すべき」とし、例外的に「動物の種類及び性質に従い相当の注意をもってその管理していたときは免責する」としています。

つまり、飼い主としての注意を適切に払っていれば損害賠償を免れることができるということですが、具体的にどのような注意が必要かは裁判所によって総合的に判断されるものなので、事前に把握しておくことは困難です。

その上、過去の裁判例のほとんどすべてで飼い主の責任が認定されており、免責された例は極めて稀です。たとえ自宅敷地内に被害者が侵入した末の事故であっても、飼い主には一定の責任があるのです。

このように、日本の法律は飼い主に大きな責任を課しています。ケガ人を出さないためはもちろん、大きな責任から自分を守るためにも、普段のしつけがなによりも大切です。

咬傷事件を起こしてしまったら、どうしたらいいの?

万が一、愛犬が咬傷事件を起こしてしまったら、とにかく誠実に、次の1~6の対処を行いましょう。

1.謝罪して連絡先を聞く

すぐにその場で謝罪し、連絡先を交換しましょう。被害者に非がある場合でも、まずは謝ることが大切です。

2.病院へ行く

犬の噛み傷は膿みやすく、また破傷風の予防接種も必要です。必ず病院に連れて行きましょう。
病院では犬が噛んだことと狂犬病の予防接種の有無を伝え、診断書と請求書の用意もお願いしましょう。

3.保健所に届け出る

飼い犬が他人を噛んだ場合、飼い主は最寄りの保健所に24時間以内に届け出る義務があります。犬を捕獲されたりはしないので、正直に届け出ましょう。被害者に反省と誠意を示すことにもなります。

4.動物病院に行く

飼い犬が狂犬病に感染していないことを証明する必要があります。予防接種をしている場合でも48時間以内に獣医師の診察をうけ、証明書を書いてもらいましょう。

5.示談する

被害者に改めて謝罪し、示談の話し合いをしましょう。示談書には一般的に次の5項目を記載します。
・お互いの氏名、住所、押印
・事件のあった日時と場所
・示談をした日付
・治療費、損害額、慰謝料を支払うこととその金額
・他に債権債務は一切ないこと

治療費は病院代や交通費の実費分を、損害額は事件が原因で破損した物の弁償分や休業補償分などを支払います。慰謝料はケガの程度などによって異なります。詳しくは弁護士・行政書士などの専門家に相談しましょう。

6.二度と起こさないようにする

二度と他人を噛まないよう、しつけや生活を見直しましょう。改善の姿勢によってご近所さんの不安も解消でき、トラブルを防ぐことができます。

愛犬の咬傷事件は、犬である以上起きる可能性は0ではありません。
うちの子は大丈夫と思い込まずに、常に注意する必要があると思いませんか。


執筆:flower


ペットに関するトラブル予防法務やペットのための信託などを専門に活動
保護施設から譲ってもらった5才になる雑種犬を飼っています。


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