愛犬が苦しそうなんだけど…なんで?
2016-02-18
あなたの愛犬は普通に呼吸できていますか?
呼吸は苦しそうではありませんか?
呼吸は、生物が生命を維持するために必要な酸素を体内に取り入れ、不要となった二酸化炭素を体外に排出する働きのことをいいます。
運動したり、急に激しく体を動かしたりすると、呼吸が苦しく(呼吸困難)なるのは人も犬も同じで一般的な状態です。
よかった、なら私の愛犬は正常ね。と思ったあなた、最後まで読んでみてくださいね。
運動などで呼吸が苦しそうなのは通常のことです。ところが、普通に行っている呼吸では、体が必要とする酸素が得られない時や、体温を調節する(呼吸を促進して、蒸散を促す)ときに呼吸が苦しくなることがあります。
なぜ、そのようなことが起きるのでしょうか?
それには犬の病気が原因の場合があります。
例えば、
鼻・喉頭・気管など、呼吸を行う時の空気の通り道にある部位が病気の場合。
血液を送り出す心臓に異常が生じている場合。
発熱・貧血・日射病・熱射病・怪我・交通事故などによって生じる場合。
など様々な原因により呼吸困難はおこります。
犬は、いつも「はぁはぁ」言ってるし、どれが呼吸困難なのか分からない!というあなた。簡単な観察方法をお教えしますので、ぜひあなたの愛犬を観察してみてください。
呼吸困難の簡単な観察方法とは?
日頃から呼吸の様子を観察してみましょう。
通常、一分間に15〜30回、犬は呼吸します。
呼吸の異常を感じた時は回数だけでなく、鼻・口・胸とお腹の動き・呼吸音(ヒューヒュー・ゼーゼーなどが聞こえるかどうか)をよく観察します。
激しい運動の後・興奮・緊張・高い気温などに反応して呼吸は早くなります。
同時にパンティング(暑いときや運動の後に口をあけてハァハァと喘いだり、息を切らしたりすること。これにより、水分の蒸発と放熱が出来ます)と呼ばれる呼吸がみられます。
パンティングは異常な症状ではありませんが、非常に長く続く時や同時に震えがみられる時・思い当たる理由もなくパンティングを行う時は病気を疑う必要があります。
異常な呼吸とは…
・鼻翼呼吸(空気の吸入時の鼻翼が拡大します。鼻がひくひくしているように見えます)
・開口呼吸(呼吸が苦しいと口を大きく開けてぱくぱくするように呼吸をします)
・起座呼吸(お座りした状態で前脚を開き、顎を突きあげて胸を大きく動かしてする呼吸です。脱水でよく見られます)
・浅速呼吸(呼吸回数は多いものの、胸の動きの少ない浅い呼吸です。気胸や脱水で見られます)
・ガーガー音の呼吸(小型犬によく見られます。気管虚脱の可能性があります)
・ゼーゼー音の呼吸(気管支炎でよくおこる呼吸です。酸素不足などによりチアノーゼを起こすこともあります)などがあります。
呼吸が苦しそうでも、原因となる病気は様々です。
開口呼吸や起座呼吸が見られる場合は、肺水腫・胸水貯留・膿胸などの疑いがあるため、出来る限り早く獣医師への診療を受けて下さい。
日射病・熱射病の場合、風通しのよい涼しい場所に移動させ、冷たい水で体を冷やし手当します。
呼吸の変化はいつから・どれくらいの時間・どのような呼吸をしているのか、動作や食欲の状態・日常生活での変化など注意深く観察し、診療時に獣医師へ伝えてください。
いかがだったでしょうか?
愛犬の呼吸の音にちょっと耳を傾けて、愛犬の異常を察知してあげられる。そんな飼い主にあなたはなってくださいね。
執筆:Zoin
動物看護師・愛玩動物飼養管理士1級・ホリスティックケアの資格を保有。現在、柴犬二匹との生活を楽しみながら、ライターとして活動中