【獣医師】愛犬が水を沢山飲むけど、病気?

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【獣医師】愛犬が水を沢山飲むけど、病気?

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記事監修:アイリス犬猫病院 獣医師中村匡佑
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大切なご家族の一員である動物を一番よく知っているのは飼い主様であり、飼い主様からしっかりと話を聞き、大切なご家族のため、どんな事でもしっかりと話し合い決定していく。この当たり前の事を徹底し、皆様との信頼関係を大事に、地域のホームドクターとして皆様のお役に立つ事が出来れば幸いです。

あなたの愛犬にこのような症状は見られていませんか?

愛犬が水を沢山飲む。
愛犬のおしっこの量が増える。

あなたの愛犬にこのような症状が見られる場合、気にしていますか?それとも、喉が渇いてるだけ、飲みすぎただけで気にとめませんか?
もしかしたら、大変な病気かもしれませんよ?

摂取する水分の量と排出するおしっこの量(尿量)、双方が増えることを、多飲多尿といいます。
しかし、トイレに何回も入って、少量しか尿が出ない状態を頻尿といい多飲多尿とはことなります。一日のおしっこ量が多いわけでも飲水量にも変化はありません。

多飲多尿にはどんな危険が隠されているのか?

多飲多尿はなにかの病気のサインかもしれませんので、注意して観察してあげてください。

毎日の飲水量は、尿をつくる腎臓やのどの渇き、腎臓の働きを補助するホルモンの動きで決まっています。したがって、腎臓やホルモンに異常が起こると、このような症状があらわれます。

腎臓でつくられる尿の過程になんらかの異常がおこり、体内の水分が不足するようになるとのどが渇き、飲水量が増えるようになります。
また、精神的に影響を受けるような出来事があったり、薬の使用、腎臓に関与する病気、糖尿病やミネラルバランスの異常でもに似たような症状をおこすことがあります。
ですから、このような時は毎日の飲水量や尿量を測って多飲多尿の症状が無いか確認してみるといいですね。

飲水量や尿量の変化は、どう判断すればいいの?

一日の飲水量は、体重1kgあたり40〜60mℓが目安となっています。
一日の尿量は、体重1kgあたり20〜45mℓが目安です。

この目安を元に毎日、決まった時間に水分摂取量を測るといいでしょう。

当院では重量を計測する方法を推奨しています。
1Lの水をペットボトルに入れ、予め重量を計測し、24時間後に重量を計測しその差で判断する方法です。
飲水量が体重1㎏あたり100mlを超えるようであれば明らかに異常な状態です。
(※尿量は測るのは手間がかかり大変なので、飲水量の方が測りやすいです。)

尿量に関しては、犬は運動量によって飲水量が変化しますが、健康であれば尿量が極端に増えることはありません。
室内にトイレを設置すると、尿の観察ができますので、気になる症状があったら尿を観察してみてください。

もし、尿の色が薄ければ、尿量が増えている可能性があります。
また、尿がベタベタしていたら糖尿病が考えられます。

不妊手術をしていないメス犬で飲水量が極端に増え、陰部からおりものが出ていたり、腹部が張っていたり、元気・食欲がないようであれば、子宮蓄膿症の危険性があります。その他にも、危険な病気のサインかもしれませんので獣医師に診てもらい正しい判断をしてもらうといいでしょう。

愛犬が多飲多尿になってしまったら、どのように対応したら良いのか?

まず、多飲多尿の症状があらわれても、食欲低下の症状がない場合には2、3日様子を観察しても良いでしょう。様子観察をして、だんだん食事量が減少している場合や多飲多尿が改善しない場合などは早急に獣医師に診てもらうのをお勧めします。その際は、尿を持参し検査をしてもらうことで早期により多くの情報が得られる場合もあります。

また、多飲多尿の状態が長期間続くと、心臓、肝臓、腎臓などの臓器に負担をかけ、病気になることがあります。そのようなことにならないためにも、早期の発見と早期の獣医師の診察を受けて下さい。

いかがだったでしょうか?
特に夏場はただ喉が渇いてるだけに思えるかもしれませんが、飼い主であるあなたが気付いてあげられるようにしましょう。


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