【獣医師】愛犬が咳をするんだけど大丈夫?8つの原因と対策方法は?

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【獣医師】愛犬が咳をするんだけど大丈夫?8つの原因と対策方法は?

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記事監修:アイリス犬猫病院 獣医師中村匡佑
アイリス犬猫病院HPはこちら


大切なご家族の一員である動物を一番よく知っているのは飼い主様であり、飼い主様からしっかりと話を聞き、大切なご家族のため、どんな事でもしっかりと話し合い決定していく。この当たり前の事を徹底し、皆様との信頼関係を大事に、地域のホームドクターとして皆様のお役に立つ事が出来れば幸いです。

この記事の概要:

愛犬が咳をするけど大丈夫なのか?動物病院に連れて行った方がいいのか?などどのぐらいの症状で動物病院に連れていくのか、様子を見てもいいのか悩んでしまいますよね。ここでは咳をするワンちゃんのための咳の原因、対策方法などご紹介いたします。

様子を見ていたら悪化してしまった、入院する事になってしまった、と後悔しないために参考にしていただければと思います。

咳のメカニズム・原因

口から肺までの空気を通る道を「気管」と、気管の先にある肺全体に広がる「気管支」に異物などがあるとその異物を体外に出そうとします。その際に起こるのが「咳」です。「コンコン」という乾いた咳と、「ガハッ」という湿った咳の2種類あります。

犬の咳の原因と、考えられる病気は?

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ワンちゃんが咳をしたとなると心配ですよね。ワンちゃんの咳の原因となる病気をいくつかあげてみましょう。

1、むせる

人間でもよく起こりますよね。ワンちゃんがご飯や水など勢いよく飲んでしまったり、食べてしまった時に誤って気管に入ってしまうときに起こります。これは一時的なもので異物が除去されれば治まります。

急いで飲食したことによりむせたのが原因の場合は病気ではないので、ワンちゃんにゆっくりご飯を食べさせるように少量ずつ与えるなど対策をしましょう。

2、ケンネルコフ

いわゆる犬の風邪です。
「コンコン」という乾いた咳をします。咳はするものの元気食欲も問題なくある場合がほとんどです。動物病院の治療が必要ですが、処方されたとおりにしっかりお薬を与え、治療を行えば完治します。治療を行えば、怖い病気ではありません。

3、犬フィラリア症

近年では予防をしっかりしている人も多いですが、いまだになくなっていないのがフィラリア症です。犬糸状虫という虫が原因で蚊を媒介して感染します。地域により差はありますが、5月~12月まで駆虫薬を1カ月に1回投薬し、予防できる病気です。

うちのワンちゃんは散歩をしないから大丈夫、と思われる飼い主さんもいらっしゃいますが、蚊が室内に侵入し感染する危険性がありますので予防をしっかりしましょう。感染すると、最終的に心臓や肺などに寄生しますので咳の症状が現れます。他にも運動を嫌がったり、元気がなくなり、腹水が溜まります。

感染している状態でフィラリアの駆虫薬をワンちゃんに与えてしまうと、心臓に寄生している虫が弱ることで動きが鈍くなり、心臓の弁などに挟まりショックを起こす可能性がありますので、注意が必要です。

毎年必ず予防することと、飲ませ忘れてしまったなどある場合は必ず動物病院に相談するようにしましょう。

4、心臓疾患

心不全、僧帽弁閉鎖不全症などの心臓疾患が原因でも咳が出ます。運動を嫌がったり、乾いた咳が続く場合は動物病院に相談しましょう。心臓に何かしら疾患がある場合、ワンちゃんを仰向けの状態にすると悪化したり、ショック状態になることがありますので、気を付けるようにしましょう。

5、気管支炎

気管支に炎症がある状態です。細菌感染やウイルス感染などでおこります。発症初期は乾いた咳をしますが、炎症が進むごとに湿った咳をします。動物病院での治療が必要で、気管支炎が悪化すると肺炎などに繋がる可能性がありますので、早めの治療をお勧めします。

6、胸水

胸に水が溜まる症状です。胸に水が溜まりますので肺がつぶれ呼吸がしにくくなり、咳も出ます。これは他の病気から併発して起こる場合もあります。なにが原因でこの症状が出たのかしっかり検査する必要があります。胸水が溜まるとワンちゃんはとても苦しくなりますので、すぐに動物病院に連れていきましょう。

7、気管虚脱

気管が何かしらの原因で押しつぶされ狭くなってしまう状態です。ガーガーという咳やいびきや呼吸しずらいなどの症状が出ます。動物病院での治療が必要となり、通常内服薬で様子を見ます。ただし、気管が極端に狭まり呼吸がしずらい状態など症状が悪化している場合は手術になることもあります。

夏場に悪化しやすく、肥満犬、パグなどの短頭種、チワワ、トイ・プードルなどに多くみられます。

8、その他

他にもアレルギーが原因で起きる場合や、ワクチンで予防できる病気が原因で起きる場合などがあります。さらに、肺に腫瘍がある場合でも起きます。動物病院での検査・治療が必要となります。

様子を見ていいのか?それとも動物病院に行った方がいいのか?

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まず、咳の様子を見ましょう。突発的に1度だけの咳だったり、急いで飲食して咳をしたなど原因がはっきりわかっていて、さらに咳以外の症状がない場合は様子を見てもいいかと思います。

ただし、様子を見ている時に激しい咳をしだした、他にも症状が出てきた、何か気になることがある、いつもと様子が違うなどと感じるようでしたら動物病院に連れていきましょう。

半日~1日以上続く咳や激しい咳をしている、他にも元気がない、食欲がない、呼吸が苦しそうなどの症状が出ている場合はすぐに動物病院に連れて行きましょう。

自宅で様子を見る時の対策方法

乾燥すると細菌感染やウイルス感染しやすくなります。部屋が乾燥している場合は加湿器をつけるなどして加湿をしましょう。ワンちゃん自身にストレスをかけないように遠くへのおでかけなど避けられるのであれば避けてあげましょう。

他にもワンちゃん用の咳に効くアロマオイルなどもあるので興味のある人は試してみてもいいかもしれません。

アレルギーの場合は原因を除去する、ハウスダストが原因の場合は掃除をこまめにするなど咳の原因によって対策しましょう。

動物病院に連れていく場合は?

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動物病院に連れていく場合、いつから咳をしているのか、どんな咳をしているのか、どんな時間帯に激しく咳をする、他にも症状が出ている場合は動物病院の獣医さんに伝えましょう。

動物病院だと混乱してしまう、言い忘れてしまう事もありますので、あらかじめ紙などにメモして、渡しましょう。

愛犬が咳をした時の原因と対策のまとめ

咳を引き起こす原因はたくさんありますが、病気が潜んでる場合があります。 咳と吐きそうという症状が混同することも多くありますし、判断が遅れてしまうと、最悪入院なんてことにもなりかねません。

咳をした時は軽く受け止めず、しっかりワンちゃんの様子を見て判断するようにしましょう。

動物病院に連れていくのは金銭的にもどれくらかかるのか、待ち時間はどれくらいなのか、など勇気がいるますが、1度診察してもらうとこにより気持ち的にも安心できますし、ワンちゃんの病気の早期発見につながることもあります。ワンちゃんの健康のためにも、情報を整理し、判断するようにしましょう。


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